私の最も好きな曲の１つです。中学生時代に初めて出会い、その後深淵なブルックナーの世界に引き込まれた者として、最終的に辿り着いたのが未完のこの第９番という訳です。初めて聴かされた人は、その長大さと難解な構造のため、好き嫌いが別れることだと思います。ある意味宗教、特にカトリックの精神世界を表す宗教音楽と言っても過言ではないかも知れませんが、純粋音楽のその中に浸ってみると、彼の音楽の壮大で深い宇宙が見えてきます。このCDは記念すべき世界初録音となるものです（1938）。世界中のあらゆる演奏を聴いてみたくて、100種類以上のコレクションになってしまい、どれも甲乙つけがたくこの１枚を代表にさせてもらいました。